Last Updated on 2026年11月2日 by oba3

エックスアールピー・レジャー(XRP Ledger、XRPL)の開発者が、発行者の承認を必要とするトークンについて、未承認アカウントが取得できる例外的な経路を解消する修正を提案している。直接の受け取りだけでなく、流動性プールの持分を通じた間接的な取得も対象となる。
11月2日時点で確認した修正案はコードレビュー中であり、本番ネットワークで有効になった変更ではない。また、対象は発行者が保有承認を設定したトークンで、一般のXRP保有に新たな許可を求めるものではない。
何が起きたのか?
公式の開発リポジトリでは、10月27日に提出された2件の修正案が公開されている。共通する修正名は「fixCleanup3_5_0」で、トークンの受け取り時と、流動性提供者向けトークンの取得時に承認確認を強める内容だ。
受け取り処理の修正案は、未承認でも既に残高があると追加の受け取りが可能になる例外などを対象とする。残高の有無によって確認を省略せず、未承認の保有残高が増える経路を閉じようとしている。
流動性プール関連の修正案では、プールの持分を表すLPトークンを取得する際、プール内の両資産について必要な承認を確認する。入金時にだけ確認しても、その後に持分が別の利用者へ移転すれば、制限対象資産への間接的な関与が生じるためだ。
なぜ重要なのか?
規制対象の資産をトークン化する場合、誰でも保有できる設計が適切とは限らない。本人確認や投資家資格などの条件を満たしたアカウントだけに保有を認めるには、発行者が定めた条件とネットワーク上の処理を一致させる必要がある。
しかし、直接送金では承認を確認していても、取引やプール持分の移転で同じ条件が適用されなければ、管理に抜け道が残る。今回の提案は、個別機能だけでなく、資産を取得する複数の経路に目を向けたものといえる。
市場構造への影響
自動マーケットメーカー(AMM)は、プールに預けられた資産を使って交換を行う仕組みだ。LPトークンは、そのプールに対する持分を表すため、単なる別銘柄として扱っても、元の資産との関係はなくならない。
修正が有効化されれば、直接保有する場合と、プールの持分を取得する場合の間で、必要な承認をそろえる方向に働く。規制対象トークンを既存の取引機能へ組み込む際には、このような間接保有の経路も設計上の確認事項になる。
一方、承認対象者が限られる資産では、すべての利用者が同じプール持分を売買できるとは限らない。サービス提供者には、取得条件を画面上でも説明し、取引が成立しない理由を利用者へ伝える対応が求められる。
資金・規制・流動性との関係
保有承認の厳格化は、発行者が意図した資格管理を支えるものだが、それだけでトークンの法的な適合性や裏付け資産の安全性が保証されるわけではない。本人確認、権利の説明、償還条件などは、発行者やサービス側で別途整える必要がある。
また、今回の提案を、既存残高が一律に凍結される変更と捉えるのも適切ではない。公開中の受け取り処理の修正案では、未承認残高の増加を防ぐ一方、既存残高から承認済みの保有者への移転や、発行者への返却経路を残す説明になっている。承認と凍結は異なる機能であり、レビュー中の仕様を確認する必要がある。
初心者向け補足
XRPLの「トラストライン」は、発行者との間でトークンの保有関係や上限などを記録する仕組みだ。発行者が承認必須の設定を使う場合、利用者がトラストラインを作るだけでは足りず、発行者による承認も必要になる。
公式資料は、この保有者の許可制がXRPには適用されないことを明記している。今回の「制限付きトークン」は、XRPL上のすべての資産を指す言葉ではない。
さらに、修正コードの提案、ソフトウェアへの採用、本番ネットワークでの有効化は別の段階だ。開発者が変更案を公開した時点で、利用者の取引ルールが直ちに切り替わるわけではない。
Web3Timesの視点
今回の提案は、RWAなどの保有資格を、送金時だけでなく取引やプール持分の取得にも反映させるための整備として注目できる。資産を別の形で保有できる金融機能ほど、元の資産に付く条件をどこまで引き継ぐかが問われる。
今後は、レビューで仕様がどう確定し、どのリリースへ採用され、有効化の手続きへ進むかを追いたい。発行者とサービス提供者にとっては、変更後に取得できなくなる経路や既存残高の扱いを確認することが、実際の運用に結び付く論点になる。
