Last Updated on 2026年11月5日 by oba3

エヌビディア(NVIDIA)などが、米国株のトークン取引を計画するOKXICEに対し、自社株を取り扱うことへの異議を表明した。2026年10月30日付の公告では異議企業が50社となり、当初候補62社のうち43社が含まれていた。第三者による株式トークン化では、取引システムの整備に加え、発行企業への通知と異議申立てへの対応が取扱銘柄を決める条件となっている。
何が起きたのか?
OKXICEの10月30日付公式公告では、エヌビディア、ナイキ(NIKE)、コストコ・ホールセール(Costco Wholesale)など12社が異議企業に加わった。異議を表明した企業数は、それまでの38社から50社へ増えた。
ここで、異議企業の総数と当初候補に含まれる企業数は区別が必要だ。50社のうち43社が当初候補62社に含まれ、残る7社はその候補外だった。したがって、当初候補の約69%が異議を表明した計算になる。
なお、これは10月30日時点の集計である。その後、コインデスク(CoinDesk)の11月3日報道によると、11月2日付公告では異議企業が56社、当初候補に含まれる企業が49社へ増えている。
なぜ重要なのか?
株式をブロックチェーン上で取引できる形にしても、発行企業との関係がなくなるわけではない。今回利用する米国の制度には、発行企業と関係のない第三者が株式をトークン化する場合、元の株式の発行企業へ通知し、異議を申し立てる機会を設ける条件がある。
取引時間の拡張や新しい投資家への接点を用意しても、制度上取り扱える銘柄がそろわなければサービスの範囲は限られる。一方、公告だけでは各社の異議の理由は分からず、今回の対応を株式トークン化全般への反対と断定することもできない。
市場構造への影響
OKXICEは、暗号資産取引所オーケーエックス(OKX)側と、インターコンチネンタル・エクスチェンジ(Intercontinental Exchange)側が出資する合弁会社だ。公告では、エックスレイヤー(X Layer)上のユニスワップv4(Uniswap v4)を使い、参加資格を確認した利用者が株式トークンとステーブルコインを交換する構成を示している。
この取引基盤があっても、発行企業の異議によって提供できる銘柄は変わる。人気銘柄が候補から外れれば、利用者がその市場を選ぶ理由や、流動性を供給する事業者の判断にも影響する可能性がある。ただし、異議企業数から取引需要や売買高の減少幅まで算出することはできない。
資金・規制・流動性との関係
米証券取引委員会(SEC)が設けた「イノベーション・エグゼンプション」は、条件を満たすトークン化証券の取引基盤に、一時的な適用除外を認める枠組みだ。SECの公式FAQは、発行企業が期限内に異議を通知した場合、その株式トークンを当該制度の下で取引対象にできないと説明している。
異議申立て期間は、発行企業が通知を受領してから30暦日となる。取引基盤が公告を公表してからの待機期間とは別に確認する必要があり、一覧に異議が載っていないことだけで取引開始が確定するわけではない。資金を集める前提には、対象銘柄の確定や参加資格、実際に売買を成立させる流動性の準備もある。
初心者向け補足
株式トークンは、株式に関する権利をブロックチェーン上のトークンで扱う仕組みだ。ただし、発行企業自身が関与して作るものと、第三者が既存株式を保管して作るものでは、発行や権利管理の体制が異なる。
OKXICEの公告が示す第三者型では、登録された証券会社を通じて元の株式をトークンと1対1で保管する構成を取る。利用者は、株価に連動するという説明だけで判断せず、配当や議決権の扱い、元の株式への交換条件などを確認する必要がある。また、異議が公表されていない企業を、この計画への賛同企業として数えることはできない。
Web3Timesの視点
今回の焦点は、異議企業の増加が、取引開始前の銘柄選定に直接つながる点にある。10月30日時点の「50社」と「当初候補のうち43社」は異なる集計であり、その後の更新とも分けて読む必要がある。
今後は、公告に残る候補数だけでなく、実際に取引可能となった銘柄、株主としての権利を支える管理体制、売買の成立状況を確認したい。発行企業への通知手続きと利用者の権利保護を実務として整えられるかが、株式トークン市場の継続利用を左右する。
